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⚡️ "吉田松陰の訓え"
松陰の思想には
1 天下は万民の天下にあらず、天下は一人の天下なり
2 飛耳長目 (ひじちょうもく)
3 草莽崛起 (そうもうくっき)
4 士気七則 (しきしちそく)
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江戸時代の末期、倒幕思想の若き志士に影響を与えた吉田松陰松下村塾(しょうかそんじゅく)。松陰の叔父・玉木文之進が長州萩城下の松本村(現在の山口県萩市)に開塾した松下村塾には尊皇討幕の推進力となった高杉晋作や明治初期の新体制の形を造り上げた松下村塾の双璧・伊藤博文山縣有朋らが学んだ。松陰は井伊直弼によって安政の大獄で29歳で伝馬町牢屋敷にて斬首刑に処されたが塾生に多大な影響を与えた松陰の思想は、尊皇討幕派と明治初期の国家の新体制形成に大きな役割を果たしている。
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冊子を披繙(ひはん)すれば、嘉言(かげん)林の如し、躍躍として人に迫る。
顧(け)だし、人読まぬなり、即ち読むとも行なはず、苟くも読みて之を行はば、則ち千万世(ばんせ)と雖(いえど)も尽くし得(え)可からず。
噫(ああ)、復た何をか言はん。
然りと雖も知る所有りて、言はざること能(あた)はざるは、人の至る情なり。
古人は諸(これ)を古(いにしへ)に言ひ、今我は諸(これ)を今に言ふ、亦た詎(なんぞ)傷(いた)まん。
士規七則を作す。
 
【士規七則】
 
およそ生まれて人たらば、人の禽獣と異なる所以を知るべし。人に五倫あり、君臣の忠、父子の考、これを最たる大なりを為す。故に人の人たる所以は忠孝を本分と為す。
 
凡そ皇国に生きては、宜しく吾が宇内うだいに尊き所以を知るべし。まさしく皇朝(こうちょう)は万葉(まんよう)一統なり、邦国(ほうこく)の士(もののふ)は大夫(たいふ)にして世々の禄位を襲(つぐ)。臣民は君に忠し父志(ふし)を継ぎ、君臣一体、忠孝一致たるは、これ然り日本国のみと為す。
 
士道は義より大なるはなし。義は勇に因りて行い、義あれば勇また揮う。
 
士道は質実欺かざるを以て要と為し、巧詐(こうさ)文過(ぶんか)を以て恥と為す。光明正大、すべて是に由りて出づ。
 
人、古今に通ぜず、聖賢を師と為さずば則ち鄙夫(ひふ)なる。読書尚友(しょうゆう)は君子の事なり。
 
盛徳達材、師恩(しおん)友益(ゆうえき)多きに居りて、故に君子は交遊を慎み、死してのち已やむの四字あり、言(げん)は簡(かん)にして義(ぎ)広く。堅忍果決(けんにんかけつ)、確乎として抜く可(べ)からざる者は、是を舎(おい)て術(すべ)無きなり。
 
右、士規七則は、約し三端と為す。
即ち、立志を以て万事の源と為し、選交(せんこう)を以て仁義の行いを輔(たすけ)、読書を以て聖人の訓(おしえ)を稽(かんが)える。
士(もののふ)たる者、よしんばここに到ること有らば、また人と成るを為すべきなり。
 
☆漢文を私くし流に書き下ろしてみました。 東屋敷平仁
 
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原文
披繙冊子。嘉言如林。躍躍迫人。顧人不讀。即讀不行。苟讀而行之。則雖千萬世不可得盡。噫復何言。雖然有所知矣。不能不言。人之至情也。古人言諸古。今我言諸今。亦詎傷焉。作士規七則。
凡生為人。宜知人所以異於禽獣。蓋人有五倫。而君臣父子為最大。故人之所以為人忠孝為本。
凡生皇國。宜知吾所以尊於宇内。蓋皇朝萬葉一統。邦國士大夫世襲禄位。人君養民。以續祖業。臣民忠君。以継父志。君臣一體。忠孝一致。唯吾國為然。
士道莫大於義。義因勇行。勇因義長。
士賢以質實不欺為要。以巧詐文過為耻。光明正大。皆由是出。
人不通古今。不師聖賢。則鄙夫耳。讀書尚友。君子之事。
成徳達材。師恩友益居多焉。故君子慎交遊。
死而後已四字。言簡而義廣。堅忍果決。確乎不可抜者。舎是無術也。
右士規七則。約為三端。曰立志以為萬事之源。選交以輔仁義之行。讀書以稽聖賢之訓。士苟有得於此。亦可以為成人矣。